夢を紡ぐ

メンテナンス後のスーツは、購入したてのスーツより美しい。

洋服が生まれ変わるお手入れ。

洋服が生まれ変わるお手入れ。

僕がメンテナンスを勉強するようになって、3年目ぐらいに書いたキャッチフレーズです。

先日、とあるクリーニングの展示会を見て来ました。一般の方はどんな内容なのか分からないので簡単に説明すると、クリーニングの業務用の洗濯機や、洗い終った洋服を仕上げるプレス機その他クリーニングに必要な包装資材等、一応クリーニング業界で使われる最新のものを集めたものです。どの業界でも行われているよくあるものです。

 

土、日の2日間で開催されてましたが、そこそこ規模の大きい展示会なので1日300名近く来場されたそうです。

このような展示会は5、6年ほど行ってなかったので、久しぶりでした。

感想を言えば、正直相変わらずのマンネリ化した展示会なんだなと。

これでは、来場されたクリーニング業者の方に「夢も希望も与えれない」のでは、率直にはそんな印象です。

東京と大阪で開催されるかなり規模の大きな展示会もあるのですが、それでも今回の展示会と似たり寄ったりではないでしょうか?

毎年下がり続けている一般家庭のクリーニングにかける費用、それに危惧するクリーニング業者。

だからこそ、今回来場されたクリーニング業者の方に夢と希望を与えなければ。

でも残念ながら内容が、小手先の事につきるし、憩いの場にしかなってなかったような…   クリーニング業者の方々も薄々それを感じでおられるのでないでしょうか?

僕には、洋服が主役の展示会なのに “洋服が洋服に見えなかった”。

?なんなの、と思われると思いますが、まずそこで行われているデモンストレーションで 、”洋服が雑に扱われ過ぎている”、そしてどうでもいいような洋服でデモンストレーションするから、どうでもいいような仕上がりにしかなってない。

こんなものを見せられても、クリーニング業者の方は夢も希望も持てない、そんなのが今まで何十年と続けられてきたと思う。

それでも少しは品質について考えられた点もありました。例えばワイシャツの機械関係では、縮みの事に対応した機械がありました。確かに縮みの問題はある程度解消されてるんですが・・・仕上がったシャツが、特にエリやカフスが段ボール紙か紙の様に変化してました。こんなものを展示会で出していたら、業者の方はさておき、洋服を着用される一般のお客さんはビックリされるのではなのですか。

ところで、機械メーカーの方たちは洋服について勉強されてるのでしょうか?
この機械を使えばこんなに楽に早くできますよと、生産性のみ問いかけるだけでいつもクリーニング屋さんの事しか考えない、洋服の事は置いてきぼり。

機械メーカーの方たちに伺いたいです?

お洒落着のことを考えた事がありますか?  お洒落な方の気持ちをご存じですか?
そして、あなたはお洒落が好きですか?  洋服がお好きですか?

もしこの観点で機械を考えていれば、もう少し違うものが出来上がっているのではないでしょうか。

これは業界全体の問題なのかも知れません。お洒落を楽しむ洋服が好きな方は、洋服を大切に扱います。
この”大切に扱う”事が、一番大切な事ではないのでしょうか。ここからまず始まると思います。

僕がメンテナンスで学んで来たことは洋服を大切に扱うと言うこと。紳士服のテーラーの方たちはどんなに頑張っても1ヶ月に3、4着ほどしか作れません。

それを簡単に壊してしまうのがクリーニング屋さん。僕も昔はその一人でした。

テーラーが思いを込めて作った洋服や、お洒落を楽しんでいる方達は大変残念でなりません。

物事に取り組む前に、どれだけ謙虚な気持ちで取り組めるか、洋服を前にしてどれだけ謙虚な気持ちでいられるか。

そして、それを着て喜んでいる、お客さんの顔を想像して取り組めるか。

それが大切ではないでしょうか?

何年、何十年と同じ事を繰り返し、既成概念が出来上がってしまい、行き詰まってしまう。

これからは、今までの考え方、概念を捨てましょう!

そして変わらなければ、もう前に進めないのでは?

僕が”洋服が生まれ変わるお手入れ”が出きるようになったのは、僕が生まれ変わったからだと思います。

僕も、みなさんも、これからですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ABOUT THE AUTHOR

久田 良一
テーラーリングの技術をフィードバックして、スーツのメンテナンスの方法を樹立。
スーツを触診すれば、着た回数、状態まで理解することができる。
イタリアラグジュアリースーツを中心にしたメンテナンスを10年、扱ったスーツは3万着を超える。

夢はクリーニングの概念を超えた、re-creatorリ・クリエータの存在を日本に根付かせ、世界に広めること。

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