夢を紡ぐ

メンテナンス後のスーツは、購入したてのスーツより美しい。

一方通行のサービス。

一方通行のサービス。

前回のブログで、クリーニング屋さんからコメントをいただきました。

「仕事の効率ばかり気にして、お客様とのコミュニケーションまで考えていなかった。」とありました。

僕も始まりは、一般的なクリーニング店からのスタートです。
業界の現状は大体は分かっているつもりです。

ふとこの業界の事が頭に浮かんだので、今回は、このテーマで書きますね。

まず、お客様はクリーニング店にお洋服を預けますが、その時どんな要望があるのでしょうか。

僕は、クリーニング店は、一方通行のサービスになっているんじゃないかと思っています。

流れとしては、カウンターでお客様が持ってきた洋服の品名と数をチェックし、洋服にシミがあればお客様から取ってほしいと依頼があり、雨の季節なら撥水加工を勧めたり、パンツのクリースがとれないような加工を勧めたり、後はお客様にコースを選んで頂いて、レジに落とし込み、前金でお支払頂く。
そんな感じではないでしょうか。

お客様もその慣例にならい従っているのでしょうね。

でも本当は、お客様の要望はどうなんでしょうか??

例えば、お客様がセーターやワイシャツ、パンツやスーツを数点お持ちになった時、一点一点、「このセーターはどうしましょう?」
「このような状態だから、こうしましょう。」
「気になることはありますか?」とか、
シャツはスーツは・・・・

一点一点カウンセリングしていくと、本当のお客様の要望が出てくるのではないのでしょうか?

(以前、僕の師、テーラーの松田先生が言っていた言葉をかりると、「洋服がお客様だ。」と言うこと。)

 

お客様の要望を聞くことから、全ては始まるのではないのでしょうか。

でもこれをシステムに組み込むと、受付での時間も掛かります。またある一定の知識もいるでしょう。そして前金では難しい状況も出てくるでしょう。
要望を聞き入れる技術的、知識的な問題もあるでしょう。

もう一つだけ、僕の意見を言わせ頂くと、朝出して夕方できるクイックサービスにも問題がないでしょうか?

限られた時間の中で、何が出きるのでしょう。

品質よりも時間が優先なのでしょうか?
ここが根本的な問題のスタートかもしれませんね。

一方通行なサービスにより、クリーニング業の劣化が始まっていないでしょうか。

年配のお客様からよく耳にすることがあります。
「昔は良いクリーニング屋さんが多かったんだけどね‼」
その通りかもしれませんね。
クリーニングに対するイメージはどうなんでしょうか?
今の20代、30代の方がクリーニングに対するイメージが悪かったり、この業界にあきらめがあったら、その方たちは40代50代とそのイメージのまま年を重ねていきます。
とても恐ろしい事ではないですか?

今、クリーニング屋さんが、一般の方に家庭洗濯の仕方をレクチャーされていて、とても人気があるみたいですね。
近い将来 “クリーニング屋さんはいらない”なんて事にならないといいのですが…

ABOUT THE AUTHOR

久田 良一
テーラーリングの技術をフィードバックして、スーツのメンテナンスの方法を樹立。
スーツを触診すれば、着た回数、状態まで理解することができる。
イタリアラグジュアリースーツを中心にしたメンテナンスを10年、扱ったスーツは3万着を超える。

夢はクリーニングの概念を超えた、re-creatorリ・クリエータの存在を日本に根付かせ、世界に広めること。

詳しくはこちら
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